ファッションのその先を思い描いて
“大島さんが作りたいものを作るのがいい”Noritake
コラボ商品の製作秘話を教えてください
Tシャツとエコバッグ的なものというアイテムの大枠をお伝えして、ここにイラストがほしい、文字がほしいということをリクエストしました。それはなぜ?というキャッチボールをしながら話を進めていきました。
基本的に自分がこのアイテムを作りたいというものはもっていなくて、大島さんが何を作りたいかが優先されるべきプロジェクトなので、そこに使ってもらう図版をお渡しする感じです。先に絵が決まっていたら、絵に合う比率を意見させてもらうことはありますが。作りたいものを作ってもらうのがいいかなと思っています。もっと作ってもいいんじゃないか?とは言ったかもしれないです。
単発で終わってしまうという取り組みは「ランバン コレクション」には向いていないんじゃないかと思っています。なのでこの取り組みは全部で3回を予定しています。だからといって、絵がかわいいというだけではなくて、手に取る方にとって気づきになる何かがあればおもしろいのかなと思っています。ストーリー性を届けることができればなと。
今回のイラストが好評であれば、同じイラストを違うプロダクトにしてもいいんじゃないかという話はしています。
大人の男性が着るイラストTシャツなので、かわいいの分量感みたいなものは調整しました。この絵柄も様々なパターンがあってこの形になりました。コーディネートした際の見え方に注意してデザインしています。手ぬぐいは、ハンカチ代わりとしてはもちろん、バンダナのようにバッグに結んでもかわいいと思います。
“お客様の興味関心をノックするきっかけになれば”Noritake
コラボをすることで期待することはありますか?
服を買いに来て、服を買って、よかったと思うのは当たり前だと思います。でも、服を買いに行って、この絵がかわいいと思ってイラストやイラストレーターに興味をもったり、ルックブックの写真や、店内の音楽でもそうなのですが、ブランドに触れて得られる情報や刺激が服以外にあればいいなと常々思っています。このコラボがお客様の興味関心をノックするきっかけになればとても素敵なことだと思います。
個人的なことでいうと、今までは10代前半~30代前半ぐらいがターゲットのブランドとのコラボがほとんどで。最近は海外の仕事が多くて、国内でのコラボをあまりしていませんでした。今回、急に年齢層があがった中でのコラボオファーで、おもしろいタイミングだなと思いました。大島さんも大人へ向けたブランドをされているし、出会ってすぐでもないですし、すべてがちょうどいいかなと思いました。
よかったぁ…。まじめな話ですが、運とタイミングは大切ですよね。
何年か前に好きだったバンドの曲を今はあまり聴かないみたいな感覚って、その時だからこそ感じられたことが好きだったわけで。人生の中のここ!というときの一期一会のような、人生一度きりのような。そのときにしか味わえないことをしているんだな、と。普通に仕事をしているだけですが、そんなことを噛みしめる年齢になってきました。
“服作りは、その人がでますよね”大島
今後おふたりがやってみたいことはありますか?
実は出会ってから何年か経った頃、『今度何かしましょう』と声をかけていただいたことがありました。突然のことすぎて、そのときは検討しますとだけメールをしました。
一時期、絵を描かないで自分の好きな服を、自分がいいと思う人と作るプロジェクトに興味をもっているときがありました。実際に何回かやっているのですが。たまにそういうものを作りたくなったときに、やってみたいなと素直に思って声をかけたのだと思います。
その時は本当にドギマギしていました(笑)
当時は、お店やってみようかと思ったりもしました。今はそのモードではないのですが、また波がきたらやりたいですね。
Noritakeさんはファッションがすごくお好きだと思っているのですが、過去にファッション関連で取材を受けられたことはありますか?
ファッションにはすごく興味があります。だけど、ファッションについてお話ししたことはありません。
そうですよね。服はずっとお好きですか?
遡ると高校生のときに古着ブームで、ヨーロッパの古着が好きでした。上京してイラストが学べるセツ・モードセミナーに進んだのですが、ファッションの学校と並行して通っている友達も多くて、その影響もありました。学長であったファッション・イラストレーターの長沢節先生が『軽やかに生きる』ということを体現されていました。その姿勢やファッションに対しての興味は深まっていきました。当時はお金もなかったので明治公園のフリーマーケットで服を探したり、お金はかけられなくてもそれなりに楽しんでいました。そうした経験を経て、ノームコアと呼ばれたような、シンプルなスタイルを好むようになりました。その後、イラストレーターになってから、絵を介してアパレルからのオファーが増えたことによって、自分のファッションへの興味が枝葉のように広がっていきました。たくさん展示会のご案内をいただくので、なるべく行こうと思っています。生地や縫製を見たりするのは、美術館の展示を見る感覚のときもあります。それが着られる体験も楽しいですね。
ファッションのおもしろいところは、同じような絵型を描いて、パターンをひいても、やんちゃな人が作った服と、エレガントな人が作った服は違いが出ますよね。人が出ますね。
道具が違ったり、人が違ったりして、それぞれの選択がコレクションで現れる。いろいろなブランドを見ると楽しいですし、勉強になります。
“6年ぶりに京都で個展をします”Noritake
8月に個展をされるとお伺いしました。
8月1日(土)から10月31日(土)まで、京都の「エースホテル京都」のロビーで個展をやります。6年ぶりです。京都に滞在してリサーチと作画をして、東京に戻ってからも描いて、という感じです。サクッと描けないタイプなので、個人的にはタイトなスケジュールでやっています。
Noritakeさんの作品のみですか?グッズなどの物販もありますか?
グッズも用意しようかな…くらいですね。全部できてから考えようと思っています。でも、絵がメインです。
個展「KYOTO/ Noritake」
時期: 2026年8月1日(土)~10月31(土)
場所: Ace Hotel Kyoto 1F ギャラリー(24時間ご覧いただけます)
https://jp.acehotel.com/kyoto/artist-in-residence
Noritakeさんが京都に滞在し、制作活動を行う中で、京都に根付く伝統や、この街で出会った人々、もの、風景との対話から生まれたイラストレーションを展示します。
